注1 アジア麺文化研究会: 福岡県内いくつかの大学の先生(経済学)が中心になって設立した研究会。アジア各地の麺文化を多角度から探求・考察するという趣旨の研究会であるが、実際のところは文化経済学という分野の観点から麺文化を検討することが話題の中心となっている。(ちなみに筆者の興味の重点である麺に関する食民族学。)とはいうものの、現地検討会では毎回、麺に関する貴重な体験をすることができるため、大変、勉強になる集まりである。
 麺の「文化経済学」というのは一口に言うと「麺に関した村おこし・町おこし・イベント・ブーム・流行などに関する経済学」ということになるのかな? そこら辺は研究会事務局長の奥山忠政氏の著書「ラーメンの文化経済学(芙蓉書房出版)」を参照するべし。



注2
 南郷村: 宮崎県東臼杵郡の山村。昔々、百済の王族がこの地に亡命してきたという伝説がある。現在は村内に「西の正倉院」、「百済の館」など、この伝説に関する建築物も多い。詳しくは南郷村役場 または南郷村商工会


注3 椎葉村: 宮崎県東臼杵郡の山村。平家落人伝説、焼畑、ヒエ搗き節などで有名。詳しくは椎葉村役場または椎葉村商工会


注4 長友大(ながともたかし)先生: 宮崎大学名誉教授、元農学部教授・農学部長。元世界ソバ学会長。ソバの研究の日本の第一人者である。先生の名著「蕎麦考」は柴田書店のホームページで全文閲覧でる。


注5 「蕎麦には鳥の黄色い油が合うのぢゃ!」: 実際の講演ではこのような仙人風の言い回しではなく、普通の口調でこの言葉をおっしゃっていた事を書き添える。本物の仙人ではないから....筆者の文章上の演出です。一応、念のため。


注6 焼畑: かつては日本の山間地で普通に見られた栽培体系。山林に火入れをして2〜3年間作物を栽培した後は長期間山林に戻して地力を養わせる完全循環型の農業形態。この地域では火入れ後一年目にソバを栽培することが多い。椎葉村での焼畑に関する驚くべき合理性や先人の知恵は「おばあさんの山里日記」(文:佐々木章、語り:椎葉クニ子、葦書房刊)および「おばあさんの植物図鑑」(文:斉藤政美、語り:椎葉クニ子、葦書房刊)で知ることができる。また、「おばあさんの山里日記」の著者佐々木章氏のホームページにも焼畑に関して詳しい記述がある(l)