寄せる技術   櫂とワンツ−寄せ器その2

ではいよいよ櫂で寄せる編ですー!

1、適した温度濃度の豆乳の入っている寄席桶に豆乳に見合ったフレ−ク状塩田にがり(水にがりでも可)を満遍なく、くれてやる。
2、素早く櫂を挿入、力強くにがりを豆乳に押しつけるようなイメ−ジで「8」の字に櫂を数回、回す。
  この時のコツは豆乳に波を起こすように、「8」の曲面に沿って動かす時には手首をかえして櫂を回す。
3、寄り始めの「当たり」を手に感じたら素早く作業を止め、蓋等をし、30〜50分程蒸らす。

まあ、こんな感じを頭に描いて桶ににがりを挿入、櫂を力強く手首を使い寄せ上げてみた。
櫂を伝わって手に「当たり」を感じる。蓋を閉める。さてさて、上手く行ったかどうかは40分後の楽しみにしよう!












なんなく一発で綺麗に寄りました。弾力有りうしうし!寄せ豆腐も照リ具合いいしー!
ちょっと拍子抜けで、こういうのってもっともっと難しいのかと思ってました。それともおいらが天災か?←それを言うなら天才だろ!
これでおいらも伝統とか職人芸の仲間入りだー!←こらこら調子に乗るなたかが一回出来ただけだろ、十回やって十回できなけりゃだめやん。

この寄せ方で難しい所は
1、手首をかえして櫂を扱う
 なんで私がすぐ出来たかというと、並木藪時代「蕎麦味噌」というのを作ってまして2時間連荘で櫂に似た大きいへらで鍋の味噌を掻き回していたんですよ。
 動作もこの寄せる作業とほぼ一緒でして、「8」の字に回すのです。寄せ作業はあっという間ですが味噌は二時間以上回してなきゃいけないんでね大変でした。
 特に「上がり」を決めるのにはやはり手に当たるへらの感触をもとに決めていたんでこの辺の仕事が今回の櫂による寄せ豆腐造りに役立ってしまったって事かな?

2、何回も言うようだけど「当たり」を掴んだら速やかに櫂による作業を停止する
 攪拌過多では「寄り」が入ったり肌荒れの原因にもなります。過小では弾力が出ず味が抜けます。
 これについては「慣れ」です。回数を重ねましょう。
 こんなバカな男にだって難なく出来てしまうほどなのでね、やはり経験を積むこれに限ります! 

以上初めて櫂で寄せ豆腐を造るでした。 そして私の感想です。
食べてみたのですが、普段のタマホマレな豆腐と同じでした。弾力も極めも味も同じなんであまり意味無かったかな?
なんて思うのですがとても良い経験でした。蕎麦職人の時の熱い思いもふと詠み返ったし・・・・・

先ほど名前を上げた「小野食品」さんですが、だれか紹介していただけませんか?一度お話がしてみたいなー。
仕事も見てみたいし、もしかしたら尊敬をいだく人に成るかもしれません。豆腐の師はまだいないんでね。
しかし一度テレビで見ただけなのに一発で上手く行くなんてやっぱりおいらは転載だー!←やっぱりただのばかだよお前


おまけですが実はこいつでにがり絹も寄せられます。
高く波が立つんで抜群な寄り具合になります。
濃度が高くなれば成るほど寄せる時に大きいアクションが
必要に成るのではないかと考えます。
絹用のワンツ−寄せ器もありますが、埼玉屋ではこいつで寄せます。


編集後記

豆腐の製造方法はその店その店で異なります。店主の考えや方法で一番美味しい豆腐を造り上げて下さい。
その方が、結局の所 「個々の個性の有る美味しい豆腐に仕上がる」と私は考えます。


手造り豆腐埼玉屋本店
  あるじ

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