★ゆーじろさんのレポート★ - 豆絞りれぽーと -

短編小説
「豆絞りれぽーと」
   著作 ゆーじろ
僕は昨晩あるじさんから、
頂いたタマホマレを1カップ水で一晩つけこんだ。

そして、お昼ご飯を食べ終わった頃には、豆はふっくら
ふくらみ僕の事を待っていた。

このまま食べてしまいたくなるような、大豆を手に取り
水を切ってミキサーへ入れる。

僕は、ミキサーのスイッチを入れる。
ミキサーは雄たけびを上げ、中の大豆を微塵にする。
その光景は、恐ろしく悲惨だった。
だが、ミキサーは直ぐ空回りを始め中の大豆は動かなくなった。

水分が少ないとこうなる。
僕は、我にかえり、水400mlを加える。

ミキサーは、本来の液体の流れとなり、
どんどん大豆が形を変えて行った。

しばらくすると、ミキサーからモーターどくとくの焦げたような
匂いがしてきた。
もう良いだろう。僕は、そう思うと
ミキサーを止めた。

中には、山芋をすった様な液体が入った。
これが、「呉」というものなのか

呉と思われる粘液を鍋に入れ弱火で加熱する。
10分ぐらいこうしていたのだろうか
きな粉のような香ばしい匂いがしてくる。

火を止め日本手ぬぐいを用意した。
冷まして良いのだろうか?冷めた方が絞りやすい。
そんな事を考え、冷めている事を期待して、
手ぬぐいに、呉を取る。

まだ熱い。
気合で、絞る。右手でにぎり絞ってゆく
僕の拳の間から、真っ白な液体が、流れ落ちた。「豆乳」だ。
何度も、握りなおしては絞り出す。

その行為は、まるで牛の乳絞りの様で
ただ、白いから豆乳と呼ばれているのでは、ないと思った。

絞りきり、手ぬぐいの中に残ったのは、おからだ。
おからを、器にあけ
呉を絞るという、行動をあと2回行った。

なんとか僕の造った、豆乳は400mlほどで
絞る手間と、あとかた付けの大変さを痛感した。

でも、自ら造った豆乳は、大事な娘の様におもえた。
他人に簡単に飲まれたら、泣くであろう。
そう、娘が結婚する父親の様に

僕は、豆乳を一口飲んだ。
良いパンチをもらった。
すごく香りが強く甘味もある。うまい
濃厚とは言えないぐらいさらっとした液体なのに
この味の濃さはいったい

思いもよらないこの味わいに手造りの良さを知った。


レポートを読んだいっし〜の感想
ゆーじろさん、小説レポートありがとうございました。&お疲れさまでした〜。m(__)m
つくっている情景がありありと浮かんでくるような、何か感動さえ覚える小説っすね。
しかし自分でつくった豆乳が、自分の娘のようにおもえるというのには超納得っす。愛着わきますよね。
つくった豆乳美味かったようっすね。 ところで次は豆腐にしてみませんか?

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