なぜこの原料にこだわるのか


メインナビゲーター 給v在屋(京都市)社長 東田和久 それぞれの地域で、本当の消費者ニーズを押さえた上での商品開発、販売戦略などについて、今からディスカッションしたいなと思っていますが、いかがでしょうか。例えば原料で「どんな原料を使っている」とか「なぜこの原料にこだわるか」などお話いただきたいと思います。


(資)冨田商店(愛知県長久手町) 冨田英治 うちは去年の五月から、大阪の三好さん(去O好商店/大阪府八尾市)といっしょに大分県の清川村から大豆を買っています。それまではオハイオの普通の大豆を使ってたんですけど、正直僕は「悪いなぁ」という感じで思っていましたので、じゃあ大豆を全部切り替えたらどうだ、という話があったので切り替えました。で、切り替えたときに、やっぱり値段は上げたいというのもあったので、アメリカ大豆のときで一丁百五十円だったのを百八十円にしました。周りからはボッたくり≠ネんて言われてるんですけど(笑)、僕はいいと思ってやってて、お客さんも、いいと思って買ってくれてます。うちでは三坪の直売所をやってて、平日で日商二万三千円位、土曜日は三万円ちょっと位ですけど、今までは「ゼロ」とか「今日は売れた!」と言って二十丁、という感じだったんですけど、店を出すと決めてから、シールも変えました。うちのコンセプトは、豆腐が美味しいことはもちろん、豆腐も美味しいけど人もオイシイねというのか、お客さんに「もう一回来よう」と思われるような店づくりです。だから、「今、パン流行ってるけど作らない?」と言われたら、パン屋さんに頼んでおからパンを作ってもらったり、「豆腐でケーキがあるじゃない」と言われたらケーキ作ったりとか、毎日販売してるわけじゃないんですけど、刺激という部分で、お客さんとのコミュニケーションを大事にしています。今、僕が思っていることは、ヨーロッパで豆腐屋をやりたい、というのが漠然とあるんですけど、誰かアドバイスがあったら、よろしくお願いします。


東田 ありがとうございました。では続いて遊心の方から誰か・・・


町店インターネットコミュニティ「遊心(ゆうしん)」会員 汲ニうふ工房わたなべ(埼玉県都幾川村)代表 渡邉一美 スーパー卸の安売り攻勢にホトホト疲れまして、スーパーとのお付き合いをこのまま続けて最後に野垂れ死にするのは嫌だ、なんとか自分のお客さんが欲しい、自分のお客さんに自分の作った豆腐を提案したいということで、卸主体から小売主体に切り替えました。その小売主体に切り替えるとき、どういう切り口ならお客さんにアピールできるかを考え、まず大豆は、地域の大豆を高く買う、地域の農家の方と一緒になって大豆づくりをして、うちで豆腐を作って地域のお客さんに食べていただこうと。うちに隣接する町村の大豆を独占的に買うのをひとつ、目標にしてきました。今は地域の大豆だけではちょっと足らなくて、埼玉県産大豆を中心に買っていますが、地域の大豆を買うということは、うちにかかわっている農家の方々数十軒が、うちの店を応援してくれる、また無料のセールスマンということでいろいろと応援してくれるということで、非常に効果があるんじゃないかと思って、敢えて地域の大豆を買っています。で、お店の方なんですけど、お客様を仕事の中心にということで、お客様にどういう風にサービスができるか、また冨田さんのお話にもあったように、お客様とコミュニケーションをとりながら展開しております。最初の頃(十年前)は、一日二人くらいしか、お客さんが来ませんでした。これじゃいかんと女房と二人で、「一日二万円売ろう」と。何とか二万円売れば、(商売も)いくらか前に進むんじゃないかと一生懸命やっていたら、一年くらいでこれを達成しました。すると欲が出てきて、二万円売れると今度は「五万円売ろう」と(笑)。すると一年も経つとその五万円がクリアできまして、次は「十万円だ」と。そうすると、その十万円もクリアできて二十万円、三十万円・・・現在(先月)は平均日商四十数万円、平日がだいたい二十五万円くらいで、土日、おそらく今日あたりは七十万円近くになっていると思います。これは全部、直売での話です。この七十万円を売るシステムというのは非常に難しくて、最初は普通の八百屋さんと同じようにザルを二つ並べて置いて、片方に紙幣、片方に小銭を入れて販売していたら、おつりの間違いが非常に多いということでレジを導入しました。で、レジを入れるにしても、今のお客さんは普通のレジではだめで、POSレジを入れました。また、お客さんが混んでくるとレジ一台では足らなくなるので二台入れる、また警備員もおかなくてはいけない、こんな風に直販は直販なりの苦労があるんですけど、スーパー卸をしていた頃と比べてみると、これらの悩みも本当にうれしい悩みで、自分のお客さんを獲得できて本当に良かったと思っています。